活動特集
2019年度活動特集 シンポジウム 伝統食の革新と地域振興(9/18)のご報告
§ シンポジウム 伝統食の革新と地域振興(9/18)のご報告 §
9月18日、まだ暑さの残る中、本学びわこ・くさつキャンパス コラーニングハウスⅡにて、シンポジウムを開催いたしました。
立命館大学食マネジメント学部 松原豊彦氏の開会挨拶に始まり、草津市長 橋川渉氏に来賓挨拶をいただきました。
まずはじめに、滋賀の食事文化研究会の中村紀子氏が「近江の伝統食の魅力」と題してご講演くださいました。
お話のときに映してくださった滋賀の伝統食は大変カラフルで、見ているだけでも楽しめて美味しさが手に取るように伝わりました。
伝統行事とその中で出される食事についての関連や湖魚のお話も大変興味深いものでした。
続いてもりやま食のまちづくりプロジェクト・地域ブランド開発推進チーム リーダー、㈱EVER GREEN 代表取締役社長、
㈱ガーデン 代表取締役社長の清水裕之氏が「守山の伝統野菜 矢島かぶらの復活・普及をめざして」と題してご講演くださいました。
生産者の高齢化により、絶滅してしまいそうなところから、滋賀県認定の近江伝統野菜となるに至るまでの取り組みを伺いました。
地元小学校給食や中学生のイベントへの提案、企業とのコラボ(おうみんち様より「矢島かぶらサラダパン」や「矢島かぶら団子」などの
販売)などをおこなってこられました。今後の矢島かぶらの発展に注目していきたいと楽しみに思いました。
休憩をはさんで、草津市立草津中学校2年生の太田乃愛さんと片岡詩さん、草津市立渋川小学校教諭の中村大輔氏が
「郷土料理を活用した環境教育プログラム:地域の人々とつくる『滋賀の郷土料理博物館』-草津市立渋川小学校の実践-」
と題してご講演くださいました。
渋川小学校での総合学習の取り組みは目を見張るものがありました。あらゆる方面へのアプローチと発想、行動力が大変素晴らしく、
太田さんと片岡さんの発表を微笑ましく見る一方で、大変な逸材だと参加者の誰もが感じていたかもしれません。
また、その背景にある中村大輔先生をはじめとする渋川小学校の先生方や地域の方々の指導、協力体制がしっかりしていることも
忘れてはならないなと思いました。
最後の講演は本学食マネジメント学部教授の田中浩子氏が「食生活の未来と地域コミュニティー『2050年の食卓』を見据えて-」
と題して講演しました。
「じっくりゆっくり聞いてみたい」と思わせる興味深い内容でしたが、時間の関係で重要部分のお話となりました。しかしながら、
実践例を取り上げながら、具体的にわかりやすく説明されたので、自分の生活と照らし合わせながら考えることができました。
その後、食マネジメント学部学生による「食を通じた地域活性化」の取り組みを紹介するポスターセッションがおこなわれました。
6団体からの発表があり、発表者が参加者からの質問に対して解説をおこないました。和やかなムードの中、
活発に意見交流がなされていました。
シンポジウム終了後、「郷土食試食会」が開催され、おうみんち様の美味しい滋賀の料理に参加者の皆様は大変満足していただいた
ようでした。「もち麦いい(飯)コロッケ」「笠原生姜ごはんおにぎり」「丁子麩のからし和え」「赤こんにゃく煮」「鮒ずし」
などなど、県外出身の方はもとより県内在住者でもそうそう食べない料理が多く、大変珍しくて美味しいものばかりでした。
おうみんち様、大変ご馳走様でした。
4つの講演、ポスターセッション、そして郷土食試食会と、様々な取り組みができて、とても有意義なシンポジウムとなりました。
ご参加くださいました皆様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
立命館大学食総合研究センター 活動特集