2022年8月1日
食の感動を知財化できるか
開催されたシンポジウムのご報告です。
シンポジウムが始まると順次パネリストの方が登壇され、テンポよく充実した報告をされたのち、意見の飛び交うディスカッションへ移り、随時グラフィックレコーディングで内容を総括しながら進められ、あっという間のシンポジウムでした。
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🍚続いて共有される知財について、食文化を追求するためにさらにデータベースを重要視し、食文化有識者インタヴュー動画、視覚的なキーワードクラウドを導入して、膨大な情報の中でも知覚情報の必要性を、知財化されうる内容を用いて説明されました。
💻さらにものやことからの価値として、ブロックチェーンで管理する手法やご管理体制の分散型のメリットを事例を用いて紹介され、実用的で実践可能かつ新しい手法のご提示をいただきました。
🔪さいごに料理人側からの視点を用いて、情報共有や社会貢献を目指すため食の体験をアーカイブするという必要性、特にデータベースとして知覚を残す試み、これらをコロナ渦の実体験を通してより強く実感されたうえで、新しい価値づくりに努められている実績をお話頂きました。
ディスカッションでは、上記の知財についての説明、食を可視化する、新しい取り組み、店側からの提供取り組みを網羅し、掘り下げて話される濃厚な時間が過ごされました。
法権が話されたゾーンでは、知財として活用できるかどうかが権利になる、そもそも権利である必要はないのかもしれないことや、みんなが活用できる形を考えるなど、独占ではなく自身の経験や料理が残らないことへの対処、残せる権利について話され、希少価値となる記録として価値を残すことの重要性が語り合われました。
また、料理人と店を出するなどするときに価値になる履歴書これがマネタイズにつながるかや、ブロックチェーンにおいて信頼関係のもとで誠実に価値づけされることの必要性が顕在化し、権利や知財を具現化する試みが一歩ずつ進んでいることを実感した瞬間でした。
以上、知財と食の感動をどのように組合すことができるかを、ノウハウと、新しい形を使いながら、信頼や信用というものを大切にし、実現するまでに実験的に運用したり、情報交換会の枠組みを広くしたり様々なアイデアや構想が共有されたシンポジウムでした。
🌻以下に、グラフィックレコーディングを共有しますので、ご来場いただけなかった方はイメージづけに、ご参加いただいた方は振り返りとしてご覧ください🌻
2022年3月7日
2022年2月17日
現代日本では、淡水魚食は限定的な郷土料理となっており、海水魚食がめざましい発展を遂げているのに比べて、淡水魚の位置づけは不当に低いと言ってもよい。琵琶湖の漁業の未来をひらくためには、淡水魚食に対する消費者の意識に改革をおこす必要がある。
世界に目をむければ、淡水魚食の盛んな国々は珍しくない。中国や東南アジアの食文化を見れば、なれずしや魚醬に留まらず、スパイスやハーブを活かした鮮魚の煮物や揚げ物や蒸し物など、現代日本の若者の食嗜好にも合う食べ方が豊富に存在する。また、これらの地域から日本への移住者も数多く、エスニック・フード・ビジネスにおける淡水魚の潜在的需要も高い。
本シンポジウムでは、水産資源を守り育て、伝統を継承しながらも、新しい販路や商品を開拓し、次の世代に湖魚食を継承し発展させていくために必要なことについて考える。湖魚をめぐる漁業・食品加工業・外食産業で活躍する方々を招き、新規参入・新商品開発・ICT利用や新規販路の開拓といった挑戦事例を紹介するとともに、淡水魚食の伝統をもつ諸外国の食文化の要素を取り入れた食べ方を紹介することで、郷土料理の発展を目指す。
概要
シンポジウムタイトル:「世界から琵琶湖へ、琵琶湖から世界へ:淡水魚をめぐる食文化およびビジネスの発展と創造」
主催:立命館大学食総合研究センター、立命館大学食マネジメント学会
後援:立命館大学社会システム研究所 研究所重点研究プログラム
日時:2022年3月2日(水)10:15~15:00(受付開始10時00分~)
形式:Zoom Webinar(定員500名まで)
参加費:無料
プログラム
10:15 開会の辞 立命館大学食マネジメント学部 学部長 天野耕二
10:20 趣旨説明 立命館大学食マネジメント学部 教授 吉積巳貴&阿良田麻里子
10:30~10:50
第一講演 滋賀県農政水産部水産課 主席参事 山田源太様
「琵琶湖漁業の現状と取組」
10:50~11:10
第二講演 守山市玉津小津漁業協同組合 組合長 田中善秋様
「赤野井湾の再生にむかって 玉津小津漁協の試み」
11:10~11:30
第三講演 フィッシャーアーキテクト代表、志賀町漁業協同組合 組合員 駒井健也様
「琵琶湖の漁業に新規参入するということ」
11:30~12:00
第四講演 立命館大学食マネジメント学部 教授 吉積巳貴&阿良田麻里子
「アジアと世界の淡水魚食文化」
12:00~13:30 昼食休憩
研究発表(食マネ学生・院生による研究発表動画の上映)
滋賀の食ビジネス応援動画上映(食マネおよび映像学部学生)
13:30~14:55 パネルディスカッション「湖魚食をめぐる伝統と創造」
ファシリテーター:立命館大学食マネジメント学部 教授 高田剛司
パネリスト
京都美濃吉 常務取締役 佐竹洋治様
Biwako daughtersショップマネージャー 中川知美様
湖魚研究家、小松亭タマサート 小松 聖児様
フォトジャーナリスト 森枝卓士様
14:55~15:00 閉会の辞 食総合研究センター センター長 南直人
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2021年9月28日
2021年8月23日
ホスピタリティ産業は、人と人とを結びつけることによって成り立つものである以上、こうした事態の変化に対応し、変化した人間関係を基盤とした新しいホスピタリティ文化を模索し、それに応じた事業のあり方を検討し再構築していく必要がある。
そこで本シンポジウムでは、まずホスピタリティ文化の長い歴史を有する京都を事例として、伝統文化が疫病の襲来などの社会的危機にいかに適応して変化を遂げてきたのかという問題を取り上げ、新たなホスピタリティの文化的基礎を考察する。そのうえで、日本におけるホスピタリティ産業の現在と未来の姿の予測を目的として、ホスピタリティ産業の中心であるフードサービスおよび観光分野を中心に問題点の指摘と将来のあるべき方向性を探ることとしたい。
概要
シンポジウムタイトル:「ポストコロナ時代の食とホスピタリティの行方」
主催:立命館大学食総合研究センター、立命館大学食マネジメント学会
後援:和食文化学会
日時:2021年9月22日 13時30分~17時00分(受付開始13時15分~)
主会場:ZOOM *オンラインのみ 参加費無料
※本シンポジウムは、公益財団法人江頭ホスピタリティ事業振興財団の令和3年度研修会等開催助成金の交付を受けて開催するものです。
当日スケジュール
13:30 開会挨拶(天野耕二 立命館大学食マネジメント学部 学部長)
13:40 講演「コロナ禍で変容する伝統儀礼の形式知 ーもてなし文化の視点からー」(太田達氏 立命館大学食マネジメント学部 教授/公益財団法人有斐閣弘道館 代表理事)
14:20 講演「新型コロナウイルス感染症による観光の変容と今後の展望」(遠藤英樹氏 立命館大学文学部 教授/立命館大学人文科学研究所 所長)
14:50 休憩
15:00 講演「Withコロナ、Postコロナ社会とフードサービス産業」(新村猛氏 株式会社がんこフードサービス 代表取締役/立命館大学食マネジメント学部 客員教授)
15:30 コメント・学生からの質問
15:45 休憩
15:55 パネルディスカッション
16:45 まとめと閉会挨拶(南直人 立命館大学食総合研究センター センター長)
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